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開学から2年の専門職大学、認知度に課題 教員の約4割が「名称しか知らない」

2021/02/09

 高校生向けに大学・短期大学・専門学校等に関する進路情報を提供する株式会社さんぽうは、2019年4月の開学以来まもなく2年が経過しようとしている専門職大学の認知度や、専門職大学に対する進路指導のスタンスなどについて全国の高等学校進路指導部4,992校を対象に調査した。(回答数419、回答率9.3%)

 調査によると、「専門職大学についてどの程度知っているか」という質問を開学前の2016年度、2018年度と過去2回行ってきたが、「よく知っている」「概ね知っている」の合計の割合が今回はじめて半数を超えた。しかし、「名称だけは知っている」、言い換えると「名称しか知らない」という教員の割合が、開学前の2016年度の調査(48.3%)と2020年度の調査(41.2 %)でさほど変わっていなかった。

 また、これまでの専門職大学・短期大学への進学希望者への進学指導スタンスについても「どちらかというと他の教育機関を勧めた」「生徒に一任」という回答の割合が合計46.1%と、前述の「名称だけは知っている」の割合とほぼ合致。専門職大学への理解や関心が深まっていないが故に勧められない、もしくは生徒任せになってしまっている現状がわかる。

 回答を寄せた多くの教員が専門職大学を積極的に勧められない理由として、「既存の教育機関との違いがわからない」「就職が不安」という開学前からの懸念事項をそのまま挙げていた。さらに、「同じ年数なら学士の称号が得られる大学の方が良い」「大学と間違えやすいので名称を変えて欲しい」という誤った認識を持っている教員も見受けられた。

 開学から2年が経過しようとしている中で高校現場への認知度が向上しているとは言い難い状況に対し、専門職大学・短期大学各校はもちろんのこと、文部科学省も含めて専門職大学制度の基本的なことから再度理解を求める施策が必要といえる。なお、開学以前から専門職大学についての研究を行っている「コンテンツ教育学会」主催による「専門職大学シンポジウム」(2021年3月18日(木)オンライン開催)にて、本アンケートの分析結果から専門職大学への理解や進路指導の実態を明らかにし、その結果問題として掲げられる専門職大学の内容や特徴、認知度、既存の教育機関との違い、高等学校における進路指導のあり方について、研究討議を行う。

参考:【PR TIMES】高等学校教員対象に3回目の専門職大学に関するアンケート調査実施 開学後2年を経てもなお認知度は大きく向上せず

大学ジャーナルオンライン:https://univ-journal.jp/81496/

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